検査項目AMY(アミラーゼ)の基準値
・55~245IU/L【血液】
・790IU/L以下【尿】
(比色法)
アミラーゼとは
膵臓から十二指腸に分泌され、栄養素のひとつである澱粉(糖質)を分解する消化酵素です。
疑われるおもな病気などは
高値
膵疾患:急性膵炎、慢性膵炎、膵臓がん、膵嚢胞など
その他:流行性耳下腺炎、イレウス(腸閉塞)、卵巣腫瘍、肝炎、腎不全など
低値
慢性膵炎(膵機能荒廃期)など
膵炎で高値に
AMY(アミラーゼ)は、おもに膵臓の細胞に存在し、膵細胞が破壊されると血液中に出てくる(逸脱)ため、これが高値を示していれば膵臓の障害が疑われます。
急性膵炎は激しい腹痛を伴い、血液中のアミラーゼをはじめとする膵酵素が基準値の10数倍の高値になります。アルコールが原因の60~80%を占める慢性膵炎では、持続した腹痛(軽度の鈍痛)と2~3倍の高値になります。
膵臓がんでは2~3倍の軽度の上昇が一般的ですが、がんに急性膵炎を合併すると10数倍の高値になります。
アミラーゼは血液中から尿中へ排出されるため、血液中と同時に尿中アミラーゼを測定することも重要で、上昇の程度は血液中アミラーゼに比例し、急性膵炎では10数倍に、慢性膵炎や膵臓がんでは数倍になります。
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)でも上昇
アミラーゼは唾液腺にも多く含まれているため、唾液腺の病気の疑いがあるときにも調べます。
このアミラーゼ(S型)は、膵臓のアミラーゼ(P型)とは区別でいます。ウイルスが耳下腺に感染して発症するおたふくかぜは、耳下腺のはれと痛みに加えてアミラーゼ(S型)が2~3倍の高値になります。
重要急性膵炎では2~3週間、繰り返し測定
約0.5MLの血液を遠心分離後、自動分析器で測定します。この検査については、検査当日の飲食は普通にとってかまいません。
急性膵炎では、発病1~2日でアミラーゼの値が最高になり(10数倍の値)、その後急激に低下して約1週間でほぼ基準値に戻ります。激しい腹痛があるので判別できますが、ほかの血液中膵酵素の判定や腹部超音波、腹部CTで確定診断します。
重症急性膵炎や膵嚢胞を合併しているときは改善が遅れるため、2~3週間は繰り返し測定して改善の確認が重要です。
持続する軽度の高値のときは慢性膵炎や膵臓がんなどを考え、上記の検査のほか進行性膵胆管造影、腹部血管造影、腫瘍マーカーの検査が行われます。
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