検査項目Mg(マグネシウム)の基準値
・血中 1.0~1.9mEq/l
・尿中 8~16mEq/日
(比色法)
Mg(マグネシウム)とは
筋・神経系の刺激伝導に重要な働きをする電解質(陽イオン)です。
疑われるおもな病気などは
高値
腎不全、甲状腺機能低下症など
低値
摂取量の減少:飢餓、食事の摂取不足など
消化管の吸収不良:スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、小腸切除など
消化管からの消失:嘔吐、下痢(下剤乱用)など
胃からの排泄増加:利尿剤、アルコール中毒、糖尿病、甲状腺機能亢進症、バーター症候群など
慢性下痢や嘔吐などで低値に
食物の中に含まれているマグネシウムの約50%は腸で吸収され、血液中にあるマグネシウムはおもに腎臓を通って尿中へ排泄されています。
飢餓などで食物が少なくなったり、嘔吐や下痢を繰り返したり、また大量の利尿剤を使ったりして腎臓からのマグネシウムの排泄が増加するなどがあると、血液中のマグネシウム濃度は低値になります。
アルコールの多飲(中毒)でも低値に
アルコールをたくさん飲むとアルコールが腸粘膜を障害して、下痢をおこしやすくなって便中へのマグネシウムの排泄が増加し、また血液中のアルコール濃度が高くなると、尿中へのマグネシウムの排泄が多くなり、低マグネシウム血症をおこしてしまいます。
このようなとき食事量が少ないと、さらに血液中のマグネシウムの低下を強くし、そのため、アルコール性膵炎やアルコール性肝炎、肝硬変ではときどき低マグネシウム血症となるわけです。
一方、腎不全や尿毒症では、腎臓からの排泄が低下して血液中のマグネシウム値は高くなります。
血液中と尿中のマグネシウムを検査
約0.5mlの血液を遠心分離後、自動分析器で測定します。この検査項目については検査当日の飲食は普通にとってかまいません。
マグネシウムは尿中の値も調べます。これは腎不全があったり、血液中のマグネシウムが低値のときは腎臓からの分泌(排泄)が低下するためで、尿を24時間蓄尿し、尿中のマグネシウムを測定して参考にします。
随時尿では早朝が高くなりますので、2番尿で測定します。
とくに低値に注意
マグネシウムは低くても高くても異常ですが、とくに低値(欠乏症)が問題になります。血液値で1mEq/l以下になると疲れやすい。
脱力感、しびれなどを感じ、さらに数値が低くなると筋肉のつれや収縮、ふるえなどが、また頻脈や不整脈、妄想、不安感などが出現します。
筋肉や心臓、神経症状などを認め、マグネシウムが低値ならマグネシウム入りの点滴をし、その原因を明らかにするため血液検査などを追加します。
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