検査項目GPTの基準値
・3~35IU/L(紫外部吸収法)
・35IU/L 以下(JSCC法)
GPTとは
GOTと同様、体の重要な構成要素であるアミノ酸の代謝にかかわっている酵素です。おもに肝臓に含まれています。GPTは心筋に多く存在するので、ただし、GOTの数値だけが高く、GPTの数値が高くない場合は、心筋梗塞や筋肉の組織が壊れたなどということを判断する材料となります。心筋梗塞を診断する手がかりにもなります。
疑われるおもな病気などは
高値
肝疾患:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、脂肪肝、アルコール性肝炎など
心疾患:急性心筋梗塞など
筋疾患:筋ジストロフィー症など
低値
人工透析を行っているときなど
肝臓が障害を受けると高値に
前項で延べたGOTと同様、これも肝臓の障害を疑うとき行う最もポピュラーな検査のひとつです。GPTはおもに肝細胞に含まれているため、肝細胞の破壊が強いと血液中のGPT値が異常に上昇してきます。
GPTはGOTとほとんど同様に変動し、急性肝炎では発症1~2週後に2000~3000IU/Lに上昇します。GPTはGOTより血液中から消失するのに時間がかかるため、しばらく高値が続くという特徴があります。
そのため、急性肝炎の極期ではGOTよりGPTが高値となり、また、この時期には黄疸も強くなります。さらに慢性肝炎や脂肪肝でもGOTよりGPTが高値(100~300IU/L)になります。
急性心筋梗塞では軽度の上昇
GPTもGOTと同様、肝細胞のほかに心筋(心臓の筋肉)や骨格筋の細胞にも含まれているため、これらの病気の指標にもなります。ただ、GOTに比べて含まれている量が少なく、上昇の程度は軽くなります。
急性心筋梗塞ではGOTが高値、GPTが軽度上昇と、両者の差が大きいことが特徴です。筋肉の病気でのGPTの上昇もごく軽度です。
GPTはGOTと異なり、運動の影響はない
0.5MLの血液を遠心分離後、自動分析器で測定します。GPTは日内変動がなく、GOTと異なって運動の影響もありません。検査当日の飲食は普通にとってかまいません。
急性肝炎などの急性期では連日の検査
GPTはGOTと似た変動を示すため、両者に異常値がみられたら肝障害を疑い、精密検査を行います。
急性肝炎や劇症肝炎などでは、急性期の発症1~2週以内の経過が重要となるので、連日、繰り返してGPTを測定することがあります。
GOTの上昇が強く、GPTの上昇が軽度(2~3倍)のときは、心筋や骨格筋の障害を考えます。
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