検査項目のGLU(血糖)の基準値
・65~105mg/dl(酵素法)
GLU(血糖)とは
血液中に含まれているブドウ糖(グルコース)のこと。血糖は脳や筋肉のエネルギー源です。血糖は膵臓から分泌されるインスリンやグルカゴンと呼ばれるホルモン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモンや性ホルモンなどによって調節され、一定の量に保たれています。
疑われるおもな病気などは
高値
糖尿病
膵疾患:膵炎、膵臓がん
内分泌疾患:クッシング症候群、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症、グルカゴノーマなど
肝疾患:肝硬変、慢性肝炎
その他:妊娠、ストレス、過剰栄養、肥満など
低値
膵疾患:インスリノーマ
肝疾患:肝硬変、肝臓がん
機能性低血糖:絶食、激しい運動、腎性糖尿など
先天性代謝異常:糖原病、ガラクトース血症
糖尿病で上昇
血糖の検査は、糖尿病の疑いがあるとき、まず第一に行う検査です。
血糖を調節しているホルモンはいくつかありますが、とくに重要なのがインスリンです。インスリンは、食事によって血液中に増加したブドウ糖をグリコーゲン(血糖の補給、エネルギー源に使われる糖類)として組織に貯蔵し、血糖値を下げて一定に保つ働きをしています。
健康な人では、食後でも血糖値が約170mg/dlを超えることはありませんが、何らかの原因でインスリンが減少したり、インスリンが作用できなくなると血糖値が上昇します。これが糖尿病です。
肥満に注意
血糖値は、糖尿病をはじめとする左頁に示した病気のほか、肥満、暴飲暴食、運動不足、ストレスなどの環境によっても上昇します。すなわち、これらが糖尿病の危険因子で、なかでも肥満が最も強い危険因子です。
前日の夕食後から絶食し、朝一番に空腹の状態で測定
血糖は、酵素を用いた試薬によって分析します。前日の夕食後から絶食し、朝一番に空腹の状態で測定します。基準値は65~105mg/dl。空腹時血糖値が140mg/dl以上、随時血糖値が200mg/dl以上のときは糖尿病と診断します。
血糖値は、採血する血液で異なります。動脈や毛細血管での血糖値は静脈の場合より10~20mg/dl程度高値になります。このため、糖尿病の人が自己血糖管理に用いる簡易血糖測定器で血糖値をモニタリングする場合は、病院で測るときより高値になることを知っておく必要があります。
基準値を超えたら糖負荷試験を
基準値を超えているときは糖尿病の可能性が大きいため、1~2週間おいて再び測定し、やはり高値の場合は糖負荷試験を行い、糖尿病か否かを判定することになります。
そして、医師の指導のもと食事・運動療法(高蛋白・低カロリーの食事と適切な運動)によって血糖値を下げる生活をするようにします。また、標準体重になるような減量も必要です。それでも十分な低下傾向が得られないときは薬剤による治療を行います。
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